夢を語る

審査員講評

ファンタジックで、お伽噺の一幕のようです。

被写体の彫刻作品がシルエット故に、想像が膨らみました。月明かりの下での読書と語らいは影絵の一コマにも見えました。群青色の夜空、月明かりを頼りに読書する少年、素敵な場面です。

月夜を背景にモニュメントをシルエットとして捉えた様子が美しく、一枚の写真から物語性を感じさせる点が面白いです。

寝る前の兄弟が本を片手に夢を語っているのか、はたまた夢のなかで語り合っているのか。想像をかき立てられる写真だと思いました。ふたりが座っている台座と遠くの月が重なり合って、この１枚の特徴を作っていると思いました。