針と糸

審査員講評

車や信号、樹木など、背景色がモニュメントとマッチしていて面白いです。

周囲の建築物の中で、そのスケールと色彩、形状、異彩を放つ彫刻作品、日常生活の一コマを自然に切り取られました。日用品である針と糸は拡大され、街と人々を軽妙に繋いでゆく様にも見えました。

イタリアらしいカラフルで楽しげな印象とオーバースケールの迫力が、独特な存在感のある写真になっています。

自然体の撮影が旅の記憶として表現された一枚だと思いました。バスやトラックの音、隣を通り過ぎる自転車の音や風を感じます。さらにはモニュメントの影で待ち合わせする人もいて、モニュメントが地元の人には風景の一部となっている様子が作品の特徴になっていると思います。